動画制作における絵コンテの書き方や作成手順を徹底解説!【2026年最新】

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動画制作における絵コンテの書き方を徹底解説!作成手順やポイント、便利ツール【2026年最新】
動画制作における絵コンテの書き方を徹底解説!作成手順やポイント、便利ツール【2026年最新】

「動画制作で絵コンテを用意するように言われたものの、何から書き始めればよいか分からない」
「絵心がないと作れないのではないか」

このように感じる方も多いのではないでしょうか。

絵コンテは、動画制作において映像の完成イメージを制作チームやクライアントと共有するための設計図です。書き方の型さえ押さえれば、絵が得意でなくても撮影や編集の現場でスムーズに絵コンテが作成でき、動画制作が成功する可能性がぐっと高まります。

本記事では、動画制作における絵コンテの役割や基本フォーマットから、初心者でも迷わない書き方の6ステップ、作成を効率化するツールなどを紹介します。

実際に動画制作の現場で絵コンテを作っている株式会社Lumiiの視点も交えながら解説していくので、ぜひ最後までご覧ください。

動画制作における絵コンテとは何か

ここでは、絵コンテが動画制作のどの工程で使われ、何を担うものなのか解説していきます。「シナリオ」など意味合いが近い言葉との違いや、実写・アニメーションでの使われ方の差まで順に確認していきましょう。

動画制作の設計図

絵コンテとは、各カットの構図・カメラワーク・セリフ・演出などを1枚にまとめた、「動画制作の設計図」です。

動画制作において、完成形を目に見える形にし、関係者の頭の中にあるイメージを一つに揃える役割を担います。

動画制作の工程のなかで絵コンテが登場する場面は、大きく分けて2つあります。

1つは企画提案の段階で、もう1つは実際の制作段階です。それぞれの段階で絵コンテが果たす役割は以下の通りです。

  • 提案段階:企画や演出のイメージを具体化する
  • 撮影や編集の方針を明確にする

株式会社Lumiiでは、動画を「静止画では伝えきれないストーリーや感情を可視化する手段」と捉えています。その完成イメージを早い段階で形にし、目的に合った動画へ近づけるための土台となるのが絵コンテです。

シナリオ・構成表・字コンテとの違い

動画制作で絵コンテと混同されやすい言葉に、シナリオ・構成表・字コンテがあります。

これらは別物というより、動画の中身を少しずつ具体的にしていく過程で登場するもので、「何で表現するか」「どの工程で使うか」などに違いがあります。

大まかに言うと、文章で「何を伝えるか」を固めるのがシナリオや構成表、それを各カット単位に落とし込むのが字コンテと絵コンテになります。

なかでも動画制作の絵コンテは、文章に絵を加えることで完成形を視覚的にイメージできる点が特徴です。

絵が入ることで、関係者が完成イメージをより具体的に共有でき、認識のずれを防ぎやすくなります。

実写動画とアニメーション動画で絵コンテの使われ方がどう変わるか

絵コンテの役割は、実写動画とアニメーション動画で少し変わります。どちらも「動画制作における設計図」である点は共通していますが、果たす機能に違いがあります。

  • 実写動画の絵コンテ:撮影までの段取りや画角・構図、演出のイメージを具体化する役割
  • アニメーション動画の絵コンテ:完成イメージそのものを固める役割

撮影時に微調整ができる実写とは違い、アニメーションは作画に大きな工数がかかるため、動画制作の絵コンテ段階でデザインの方向性を細部まで決めておく必要があるのです。

Lumiiでは、絵コンテを動画制作の進行状況に応じて2つの段階に分けて作成しています。

1つ目は、企画提案の段階で作成する絵コンテです。まだ受注前で、デザインも確定していないため、ここではラフな絵で企画のイメージを共有し、クライアントと方向性をすり合わせることを目的としています。

2つ目は、受注後の制作段階で作成する絵コンテです。この段階ではそのまま動画化できる完成度が求められるため、デザインの細部まで表現した精度の高いものに仕上げます。

このように、私たちは実際に作画に入る前の絵コンテの段階で、デザインまで作り込んでいます。

これにより、動画制作・編集へ進んだあとに「イメージと全然違う、デザインからやり直し」といった大きな手戻りが起きるのを防いでいます。

動画制作で絵コンテを書くメリット

ここでは、動画制作の際に絵コンテを作るメリットについて、チーム内の共有・手戻りの削減・クライアントレビューの3つの観点から解説します。

動画制作チーム全体でイメージを共有しやすくなる

絵コンテの大きなメリットは、動画制作チーム全体で完成イメージの共通認識をつくれることです。

言葉だけのやり取りでは、同じ説明でも人によって思い描く映像が変わってしまいます。

たとえば「明るい雰囲気のオフィスシーン」と伝えても、明るさの度合いや人物の配置は人それぞれです。

動画制作の現場において、絵コンテで構図やトーンを示しておけば、ディレクター・撮影・編集など立場の違うメンバーが同じゴールを見て動けます。

私たちLumiiが重視しているのは、絵コンテによって共通認識を生み出すことです。共通の土台があるからこそ、その後ブレずに動画制作を進めることができます。

動画制作の撮影・編集の手戻りを減らせる

絵コンテで完成形のイメージを事前に共有しておくと、動画制作の撮影や編集での手戻りを減らせます。出来上がってから「思っていたものと違う」となる事態を未然に防げるためです。

特にアニメーション動画では、よりこの効果が大きくなります。

制作段階の絵コンテでデザインまで明確に作り込んでおけば、動画編集に入ってからの修正や作り直しを大幅に減らせます。

絵コンテという「動画制作における設計図」を挟むことで、動画制作全体の流れがスムーズになるでしょう。

絵コンテが発注の意思決定を後押しする

動画制作において絵コンテは、クライアントが「動画を作るかどうか」を判断する場面でも力を発揮します。

動画制作はまとまった費用と時間がかかるため、完成形が見えないまま発注に踏み切るのは、クライアントにとって勇気のいる決断です。

とくに、完成系がイメージしにくい動画に関しては、「思っていたものと違うものができたらどうしよう」という不安がどうしてもつきまとってしまいます。

ここで役に立つのが絵コンテです。たとえラフなものでも動画制作の提案段階で絵コンテがあると、クライアントは完成後の動画をある程度具体的に思い描いたうえで判断できます。

頭の中だけで「やるか、やめるか」を悩むのと、目の前にイメージがある状態で「これなら進めたい」と判断するのとでは、決断のしやすさがまるで違います。

実際にLumiiでも、絵コンテを示すことでクライアントが前向きになり、動画制作へと話が進みやすくなる場面を数多く経験してきました。

動画制作において絵コンテは、完成した動画の品質を高めるだけでなく、その手前にある「やってみよう」という一歩を後押しする役割も担っています。

絵コンテを書く前に整える3つの準備

動画制作の絵コンテで悩む時間の多くは、コマを描いている最中ではなく、「何を描けばいいんだろう」と手が止まっている時間だったりします。

書くものが自分の中ではっきりしないまま進めると、途中で方向が分からなくなり、結局書いては消してを繰り返すことになりがちです。

重要なのは、絵の上手さよりも、書き始める前に何を決めておくかです。

ここでは、動画制作で絵コンテを書く前に準備しておくべきことについて、以下3つの観点から解説します。

  • 目的とターゲットを明確にする
  • 配信媒体・尺・縦横比を先に決める
  • 参考動画を集めてイメージの共通認識を作る

準備が整っているほど、絵コンテづくりは「考えながら書く」作業から「決まっているものを書き起こすだけ」の作業に近づいていきます。

目的とターゲットを明確にする

動画制作の絵コンテ作成に入る前に、いちばん最初に押さえておきたいのが「何のために、誰に向けて作る動画なのか」です。

ここが固まらないまま書き始めると、見せ方やおもしろさといった表現が先行してしまい、動画そのものは完成しても「結局この動画で何を達成したかったのか」という最初の狙いとズレてしまいます。

だからこそ、まず重要なのは「この動画で何を達成したいのか」という目的をはっきりさせることです。

  • 問い合わせにつなげたいのか
  • サービスの認知を広げたいのか
  • 商談での説明をスムーズにしたいのか

目的が変われば、見せるべき内容も伝え方も変わってきます。

これに加えて欠かせないのが、「誰に届ける動画なのか」を見極めることです。

「誰に」を明確化するために、Lumiiではターゲットのペインやインサイトを徹底的に深掘りしています。

表面的な属性だけでなく、その人がふだん何に困っているのか、本当は何を実現したいのか、口に出していない本音のところまで掘り下げるのが私たちのやり方です。

たとえば、こんなレベルまで具体的に言葉にしていきます。

  • 課題があるのは分かっているが、わざわざ予算をかけてまで解決すべきか確信が持てない
  • サービスの良さには自信があるのに、その魅力がなかなか相手に伝わらない
  • 良さそうなのは分かるが、社内を説得する材料がなくて踏み出せない

あわせて、動画の対象となるサービスや会社そのものへの理解も深め、何をどう伝えるかという軸を固めます。

目的とターゲットのどちらか一方でもあいまいなままだと、訴求がぼんやりして、誰の心にも届かない動画になってしまいます。

そのためLumiiでは、動画制作において「目的とターゲットの明確化」を一番最初に行うようにしています。

配信媒体・尺・縦横比を先に決める

動画をどこで配信するかは、絵コンテを書く前に決めておきましょう。媒体によって画面の縦横比や適切な尺が変わるためです。

配信媒体・尺・縦横比を先に決める

YouTubeの横型動画は16:9が基本です。TikTokやInstagramのリール、YouTubeショートは9:16の縦型が標準で、Instagramのフィード投稿は4:5が中心となります(近年は3:4も選べます)。

媒体ごとの仕様は更新されることがあるため、公開前に各公式の情報を確認すると安心です。

そして、縦型と横型では見せ方そのものが変わります。横型は左右に広く複数の要素を並べやすいのに対し、縦型は主役を中央に大きく置く構図が基本です。

同じ内容でも、縦と横では構図やテロップの置き方を変える必要があります。

配信先と尺、縦横比を先に決めておけば、最初から画角に合った構図で絵コンテを設計でき、動画制作の後工程での作り直しを防げます。

参考動画を集めてイメージの共通認識を作る

準備の仕上げ段階で役に立つのが、参考になる動画を集めておくことです。

演出や表現のイメージは、言葉で説明するより実例を見せたほうが早く伝わります。

「テンポよく」「落ち着いた雰囲気で」といった言葉は、人によって受け取り方が異なりますが、具体的な参考動画があれば、目指すトーンや演出を関係者の間でそろえやすくなります。

Lumiiでも、絵コンテに入る前に参考動画を集め、演出や表現方法を検討しています。

実際の動画制作の現場でも、参考動画によって共通認識を作ることで、シナリオから絵コンテへの落とし込みがスムーズに進んでいる印象があります。

絵コンテの記載項目と書き方

ここでは、動画制作の絵コンテに一般的に盛り込む記載項目を、シーン・カット番号から映像欄、セリフ、ト書き、尺の管理まで順に解説します。

シーン番号・カット番号の振り方

動画制作の絵コンテは、シーン番号とカット番号で各コマを管理します。番号があることで、関係者が同じカットを正確に指し示せるようになります。

ここで押さえたいのが、カットとシーンの違いです。

  • シーン:同じ時間・場所で展開する一連のカットのまとまりを指す
  • カット:カメラが回り始めてから止まるまでの一続きの映像で、映像の最小単位にあたる

実務では、シーンごとに区切り、その中のカットへ「C-1」「C-2」のように連番を振る方法が一般的です。

番号の付け方を最初に決めておくと、修正のやり取りで混乱しにくくなります。

映像欄(コマ)の描き方と粒度の目安

映像欄には、そのカットの構図やレイアウト、登場人物の配置を書きます。

カメラがどこから何をとらえているのかが伝わり、第三者が見て「何を伝えたいカットなのか」が分かることが、何より大切です。

絵が上手いかどうかは本質ではありません。画力そのものよりも、そのカットで伝えたい中身がしっかり伝わるかどうかが重要です。

Lumiiでは、動画制作の絵コンテを見ただけで完成後の動画が鮮明にイメージできる状態まで、一つひとつのカットを作り込んでいきます。

絵コンテを見るクライアントはクリエイターではないため、基本的にはそこに描かれたものを「見たまま」受け取ります。

逆に言えば、人物の配置や雰囲気・トーンを描き込んでおかなければ、その部分は受け手に正しく伝わりません。

作り手の頭の中ではイメージできていても、絵コンテに表れていなければ、クライアントは完成後の映像を思い描けず、それぞれが別のものを想像してしまうことになります。

そのため、細部まで具体的に描き込んでおくことがとても重要です。たとえば登場人物は、カットが変わっても「同じ人物だ」と一目で分かるように書きます。

当然のことに思えますが、絵が変わるたびに顔つきや雰囲気が微妙にぶれると、見る人は別人が出てきたように感じ、「結局どんな動画になるのか」をつかめなくなってしまいます。

こうした観点から、カットをまたいでも人物の見た目を一貫させることはとても大切です。

さらに、シーンの時間帯や感情に合わせてトーンそのものも描き分けます。

  • 夜に一人で考え込む場面なら暗く落ち着いた色味
  • 朝の場面なら明るいトーン

といった具合です。人物の位置や視線、画面に入る要素の関係、そして場面ごとの空気感まで読み取れる絵コンテであれば、クライアントにもクリエイターにも完成形が同じように伝わります。

きれいに書くことより、見た人が完成後の動画を思い浮かべられるかどうか。Lumiiはそこを大事にしています。

セリフ・ナレーション・BGM・効果音の書き込み方

映像欄の横には、音に関する情報を書き込みます。セリフやナレーションは、どのカットで流れるのかが分かるよう、該当するコマに対応づけて記載します。

BGMや効果音も、絵コンテに書いておきたい要素です。曲調の方向性や、効果音を入れたいタイミングをメモしておくと、編集段階のイメージがそろいます。

動画制作において、音の情報は映像と同じくらい印象を左右します。より完成形に近い絵コンテを作成するためには、音と映像をセットで設計しておくことが重要です。

ト書き(カメラワーク・演出指示・秒数)の記載ルール

ト書きの欄には、カメラワークや演出の指示、各カットの秒数を書きます。「ズームイン」「バストアップ」「左へパン」といった動きを、短い言葉で具体的に示します。

演出指示は、撮影や編集の担当者が迷わない粒度を意識しましょう。何をどう見せたいのかが伝わると、実際に動画制作を行う現場での解釈のぶれが小さくなります。

秒数は、後述する合計尺の管理にも関わる重要な情報です。カットごとの長さを書き込んでおくと、動画全体のテンポを設計しやすくなります。

合計尺とページ番号の管理方法

絵コンテ全体では、合計尺とページ番号の管理が欠かせません。各カットの秒数を積み上げていくことで、動画全体の長さを把握できます。

配信媒体には、適した尺があります。カットごとの秒数を合計し、目標とする尺に収まっているかを確認しながら調整していきましょう。

ページ番号や通し番号を振っておくと、カットの抜け漏れや順番の入れ替わりに気づきやすくなります。枚数が増えるほど管理は重要になるため、最初からルールを決めておくと安心です。

動画制作で絵コンテを書くポイント

動画制作の絵コンテを書いてみたものの、「これで本当に伝わるのか」「何か抜けていないか」と不安になる人は少なくありません。

実は、伝わる絵コンテを作成するための大切なポイントは、ベテランでも初心者でも大きくは変わりません。

押さえるべき点さえ分かっていれば、初めてでも大きく外すことはないということです。

ここでは、動画制作で絵コンテを作成する際に意識したい5つのポイントを紹介します。

  • 1カットに込めるメッセージは1つに絞る
  • 1カットの尺は3〜5秒を基準に組む
  • 絵の上手さより第三者が読めるかを優先する
  • 音読して尺のズレと言葉の流れを確かめる
  • 動画制作で撮影・編集担当が迷わない情報量を意識する

1カットに込めるメッセージは1つに絞る

動画制作の絵コンテを書くうえで意識したいのが、1つのカットに込めるメッセージを1つに絞ることです。

あれもこれもと詰め込むと、見ている人はどこに注目すればいいのか分からなくなり、結局どれも印象に残りません。

視聴者が一度に受け取れる情報量には限りがあるので、欲張るほど伝わらなくなる」という感覚を持っておくとよいでしょう。

メッセージを絞り込めているかどうかは、「このカットで伝えたいことを一言で言えるか」で確かめられます。

もし二言三言ないと説明できない場合には、情報が詰め込まれすぎているかもしれません。その場合は無理に1カットへ収めず、カットを分けるのが基本です。

1カットの尺は3〜5秒を基準に組む

1カットの長さは、3〜5秒を一つの基準にすると組み立てやすくなります。ただ、この秒数そのものより大事なのは、その裏にある考え方です。

絵コンテは静止した絵で確認するため、1カットが多少長くても、見ているときには間延びを感じません。

「ここは大事だからじっくり見せたい」と長めに設定しても、紙の上では違和感がないのです。

ところが、いざ動画になると同じカットが急に冗長に感じられます。この「絵コンテでは気づけないズレ」が、1カットを長くしすぎたときの落とし穴です。

特にYouTubeやSNSのように、視聴者が自分の意思でいつでも離れられる媒体では、ほんの一瞬の間延びが離脱に直結します。

テンポよくカットを切り替え、視聴者の興味を持続させることが非常に重要です。

とはいえ、3〜5秒はあくまで目安です。テンポの速いショート動画ではさらに短く刻むこともあれば、エモーショナルなシーンや余韻を見せたい場面ではあえて長く取ることもあります。

大切なのは秒数を守ること自体ではなく、伝えたい内容に対して尺が合っているか。
一定の基準を持ち、動画として再生したときの体感時間を常にイメージしながら調整していくことが大切です。

絵の上手さより第三者が読めるかを優先する

動画制作における絵コンテは作品ではなく、意図を共有するための設計図です。そのため、絵コンテで優先すべきは、絵の上手さではなく、第三者が読めるかどうかです。

もちろん、動画にしたときのイメージが鮮明に浮かぶくらい詳細に描き込めるなら、それが一番。

ただ、仮に人物を棒人間のように簡単に描いたとしても、構図や動き、何を伝えたいカットなのかが読み取れれば、絵コンテとしての役割は十分に果たせます。

大切なのは、絵を美しく仕上げることではありません。見た人が同じ完成形を思い描けるだけの情報が、そのカットに込められているかどうかです。

私たちも、絵そのものの精度ではなく、伝えたい内容や演出の意図を具体的に描き込むことに力を注いでいます。完成後の動画が思い浮かぶかどうか、常にそこを基準にしています。

音読して尺のズレと言葉の流れを確かめる

動画制作の絵コンテができたら、セリフやナレーションを実際に音読してみましょう。書いた秒数と、声に出したときの長さがずれていないかを確認するためです。

文字で見ると収まっているようでも、読み上げると想定より長くなることは珍しくありません。

音読することで、以下のことを確認できます。

  • 尺がズレているかどうかが分かる
  • 言葉の流れが自然かどうかが分かる

不自然な言い回しや詰まりやすい箇所は、ナレーションの聞き取りやすさに影響します。

仮のナレーションをスマホで録音したり、ストップウォッチで秒数を計測したりして、尺のズレがないか確認しておくのがおすすめです。

動画制作で撮影・編集担当が迷わない情報量を意識する

絵コンテは、撮影や編集の担当者が迷わない状態に整えることが大切です。

情報が足りないと現場で判断がぶれ、逆に詰め込みすぎると要点が埋もれてしまう。大切なのは情報の多さではなく、要点が具体的に伝わることです。

中でもとくに意識したいのが、演出のイメージを具体的にしておくことです。セリフやナレーションと、それに合わせた演出をできるだけ具体化しておくと、絵にする段階でのずれが小さくなります。

Lumiiの動画制作の現場でも、演出まで具体的に描き込んだ絵コンテほど、クライアントとクリエイターの間で認識の齟齬が生まれにくいです。

実際、絵コンテの段階でお互いが同じ完成イメージを持てているほど、動画制作が進んでから「思っていたものと違う」というすれ違いはほとんど起きません。

そして、そうやって認識をすり合わせられた案件ほど、できあがった動画にクライアントが満足してくださることを、何度も経験してきました。

動画制作で絵コンテを書く際の注意点

ここでは、動画制作の絵コンテ作成でつまずきやすい注意点を4つ取り上げます。事前に知っておくことで、手戻りや認識のずれを避けやすくなります。

  • 配信媒体の縦横比と実際の画角をずらさない
  • 情報を詰め込みすぎてカットが破綻するパターン
  • シナリオが固まる前に絵コンテに入るリスク
  • 関係者レビューを想定した共有しやすい形式を選ぶ

配信媒体の縦横比と実際の画角をずらさない

重要なのは、配信媒体の縦横比と絵コンテの画角を合わせることです。縦横比がずれていると、せっかく設計した構図が画面に収まりません。

たとえば横型を前提に作った構図を縦型で配信すると、左右が大きく切れてしまいます。

縦型のリールやショートでは、画面の上下が他の表示要素で隠れることもあるため、重要な要素は中央に置くなどの配慮が必要です。

動画制作では、実際の画角で構図を考えることで、撮影後に「使えない部分が多い」という失敗を防げます。

情報を詰め込みすぎてカットが破綻するパターン

伝えたいことが多い案件ほど、「せっかくだから、このカットであれも触れておきたい」という心理が働きます。

とくにサービス紹介や技術説明のように情報量の多い動画では、一つのカットがどんどん欲張りになりがちです。

ですが、視聴者にとってはどの要素も等しく「初めて見る情報」です。

作り手が考える優先順位は、工夫しなければどうしても伝わりづらいもの。

複数の要素が同じ強さで並んでいると、視聴者はそのカットの主役を見つけられず、結局何も印象に残らないまま終わってしまいます。

要素を減らせないときは、「このカットの主役はこれ!」と、構図やテロップの大きさで強弱をはっきりつけておくと、カットが破綻するのを避けやすくなります。

シナリオが固まる前に絵コンテに入るリスク

絵コンテで意外と多いのが、シナリオが固まらないうちに絵を書き始めてしまうことです。土台となるメッセージが定まる前に絵に入ると、後から大きな修正が発生しやすくなります。

動画制作でLumiiが大切にしているのは、「シナリオ(メッセージ)が先、絵は後」という順番です。まず文字で伝えたいことを固め、それから絵を入れていきます。

何を伝えるかが決まっていない状態で表現を作り込むと、目的からずれたり、無駄な作業が増えたりしがちです。

絵に入る前に、シナリオを固めることを徹底しましょう。

関係者レビューを想定した共有しやすい形式を選ぶ

動画制作の絵コンテは、関係者がレビューしやすい形式で作ることも大切です。共有やコメントがしづらい形式だと、フィードバックの往復に余計な手間がかかります。

社内のメンバーやクライアントがどの環境で確認するかを想定し、閲覧やコメントのしやすい形式を選んでおくと、すり合わせがスムーズに進みます。

Lumiiの動画制作の現場では、絵コンテでしっかりとすり合わせをし、完成イメージを共有しておくことを大前提として考えています。

実際、ここでのすり合わせができていない時は、以下のような状況が発生しがちです。

  • その後のやり取りが噛み合わなくなり、意思疎通が難しくなる
  • そもそも動画制作に進むための合意がなかなか得られない

逆に、絵コンテという共通のイメージを介してすり合わせができているととてもスムーズです。

クライアントから「ここは合っている」「ここは違う」と具体的なフィードバックをもらいやすく、その後の動画制作も格段に進めやすくなります。

初心者でも迷わない絵コンテ書き方6ステップ

ここからは、動画制作を成功につなげるための絵コンテづくりを、6つのステップに分けて解説します。

実際の動画制作の現場での進め方を踏まえ、つまずきやすいところを避けながら進められるように整理しました。この順番で組み立てていけば、目的からぶれない絵コンテに仕上がります。

  • ステップ1:フォーマットを用意してコマ枠を確保する
  • ステップ2:伝える内容を具体的な言葉でシナリオに書き起こす
  • ステップ3:シナリオをカット単位に分解してカット割りを決める
  • ステップ4:各コマにラフ絵または参考画像を入れる
  • ステップ5:セリフ・ナレーション・演出指示を書き込む
  • ステップ6:通し確認で尺・流れ・抜け漏れをチェックする

ステップ1:フォーマットを用意してコマ枠を確保する

最初のステップは、動画制作の絵コンテのフォーマットを用意することです。いきなり白紙に描き始めると、何をどこに書くか迷ってしまうので、映像欄・セリフ欄・ト書き欄といった記入欄をあらかじめ用意しておきます。

最低限、次の項目があれば絵コンテとして機能します。

  • カット番号:カットの順番を示す通し番号
  • 映像欄(コマ):構図やレイアウト、人物の配置を描くスペース
  • セリフ・ナレーション:そのカットで流れる言葉
  • ト書き:カメラワークや動き、テロップなどの演出指示
  • 秒数:そのカットの長さの目安

このとき、映像欄(コマ)の枠を配信媒体の縦横比に合わせておくのがポイントです。

あとで触れるExcelやテンプレートを使えば、ゼロから作らなくてもすぐに枠を用意できます。枠さえ整っていれば、各カットで何を書けばいいかが一目で分かり、迷わず書き進められます。

ステップ2:伝える内容を具体的な言葉でシナリオに書き起こす

枠を用意したら、次はいきなり絵に向かうのではなく、まず「何を伝えるか」を言葉で書き起こします。これがシナリオです。

動画は、テキストや画像だけでは伝えきれない部分を補う手段なので、その土台となるメッセージが固まっていないまま絵を描き始めても、内容がぶれてしまいます。

動画制作におけるシナリオを書くときにLumiiが意識しているのは、できるだけ抽象度を下げ、具体的な言葉で書くことです。

ブランディング動画や広告CMのように、あえて抽象的な表現で世界観や余韻を持たせるケースもありますが、多くの動画では、抽象的な言葉は受け手によって解釈がぶれてしまいます。

たとえば「便利になります」とだけ書いても、見る人が思い浮かべるものはバラバラです。「これまで30分かかっていた作業が5分で終わります」のように具体化すると、伝えたいことが一気に明確になります。

そして、ここまで具体的に書くために欠かせないのが、ターゲットとサービスの深い理解です。

ターゲットが何に困っていて、このサービスがそれをどう解決するのかが腹落ちしていなければ、言葉はどうしても抽象的になってしまいます。

ステップ3:シナリオをカット単位に分解してカット割りを決める

シナリオが書けたら、それをカット単位に分解し、カット割りを決めていきます。
では、どこでカットを割るのか。動画制作の現場で私たちが基準にしているのは、「伝えるメッセージが切り替わるタイミング」です。

1つのカットで伝えることは1つに保ち、次の内容へ移るところでカットを分けます。
たとえば、「視聴者の抱える問題を投げかけるパート」「それをどう解決できるかを見せるパート」「解決した先にどんな未来が待っているかを描くパート」では、それぞれ伝えたいことが異なります。

こうした内容の変わり目が、カットを区切る目印になります。

さらに理想を言えば、実際の動画でシーンが切り替わるタイミングまで見据えて割っておくと、より完成形に近い絵コンテになります。

ここまで詰めておくと、絵コンテと実際の動画とのあいだで「カットの数や切れ目が思っていたのと違う」というずれが起きにくくなります。

ステップ4:各コマにラフ絵または参考画像を入れる

カット割りが決まったら、各コマにラフ絵や参考画像を入れていきます。構図や人物の配置、カメラの位置が伝わればよいので、丁寧に描き込む必要はありません。

絵を描くのが苦手な場合は、参考画像を貼ったり、後述する画像生成AIを使ったりする方法もあります。大切なのは、各カットで何を見せるのかを可視化することです。

この段階では、完成度より分かりやすさを優先します。第三者が見て意図を読み取れる絵を、テンポよく入れていきましょう。

ステップ5:セリフ・ナレーション・演出指示を書き込む

コマの絵がそろったら、セリフ・ナレーション・演出指示を書き込みます。

各カットに対応するセリフやナレーションを記載し、カメラワークや演出の指示を添えます。

ここでは、撮影・編集の担当者が迷わない具体性を意識しましょう。演出のイメージを具体的に書くほど、絵にしたときのずれが小さくなります。

あわせて各カットの秒数も入れておきます。映像・音・演出・尺が揃うと、絵コンテが実用的な設計図になります。

ステップ6:通し確認で尺・流れ・抜け漏れをチェックする

最後のステップは、動画制作の絵コンテ全体を通しで確認することです。

  • 合計尺が目標に収まっているか
  • 流れが自然か
  • カットの抜け漏れがないか

これらをチェックしていきましょう。

このとき、セリフやナレーションを音読してみるのがおすすめです。書いた秒数と読み上げた長さのずれや、言葉の流れの不自然さに気づきやすくなります。

通し確認で見つかった違和感は、早い段階で直しておきましょう。最終チェックまで行って、はじめて1本の絵コンテが完成します。

絵コンテ作成を効率化するツールとテンプレート

ここでは、動画制作の絵コンテ作成に使える代表的なツールを、手軽なものからAIを活用したものまで紹介します。自分のスキルや目的に合わせて選ぶと、作成の負担を減らせます。

手軽に作るならExcel・PowerPoint

もっとも手軽なのは、ExcelやPowerPointで動画制作の絵コンテを作る方法です。多くの人が使い慣れており、表の機能を使えばコマ枠を簡単に作れます。

ExcelやPowerPoint向けの無料テンプレートも数多く公開されています。映像欄・セリフ・ト書き・秒数といった項目があらかじめ用意されたものを使えば、すぐに書き始められます。

新たにツールを導入する必要がないため、初めて絵コンテを作る場合にも向いています。まずは手元のソフトで試してみるとよいでしょう。

クリエイティブを重視するならCanvaやiPadアプリ

見た目を整えたい場合は、Canvaのようなビジュアル編集ツールが便利です。Canvaには絵コンテ(ストーリーボード)用のテンプレートが多数用意されており、画像やテキストをドラッグ&ドロップで配置できます。

手書きの感覚で作りたい場合は、iPadのアプリも選択肢の一つです。Procreateのような汎用のドローイングアプリが絵コンテ作成に使われるほか、絵コンテ向けの専用アプリも登場しています。

ツールによって得意な作り方は異なります。きれいに共有したいのか、手早くラフを描きたいのかなど、目的に合わせて選ぶのがおすすめです。

手書きが苦手なら画像生成AI

近年は、ChatGPTなどの画像生成AIで、動画制作の絵コンテのラフ絵や構図の参考を作る方法も広がっています。手描きが苦手でも、シーンのイメージを言葉で指示すれば、たたき台となる絵を用意できます。

生成AIを選ぶ際にLumiiが重視しているのは、同じ登場人物を複数のカットで統一して書き出せることです。

人物やトーンを固定できると、動画になったときの絵を鮮明にイメージできる絵コンテに近づくことが理由です。この観点から、Lumiiでは現状ChatGPTを活用しています。

こうしてトーンまで揃えられると、絵コンテはぐっと完成形に近づきます。たとえば夜と朝のシーンで色味を変えれば、見る人が場面の違いを直感的に受け取れます。

前述したように、基本的にクライアントは「見たままの印象」で受け取るため、人物やトーンをそろえておくことが、イメージ共有の大きな助けになります。

ゼロから作りたくないなら無料テンプレート

「フォーマットを一から用意するのは面倒だ」そう感じる方もいるでしょう。その場合は、無料の動画制作の絵コンテテンプレートを活用するのも手です。

ただし、自分がやりたい動画制作の仕様に合っていないものを選ぶと、かえって書きづらくなってしまいます。ダウンロードする前に、次の点を確認しておくとよいでしょう。

  • 自分の使う環境で開けて編集しやすい形式か(Excel・PowerPoint・PDFなど)
  • コマ枠の縦横比が配信する動画の画角に合っているか
  • 作りたい動画の長さに対してコマ数が足りるか/li>
  • 映像欄・セリフ・ト書き・秒数など、必要な欄がそろっているか
  • 関係者と共有・コメントしやすい形式か
  • 仕事で使う場合、利用規約で商用利用が認められているか

これらを満たすテンプレートであれば、効率的に絵コンテを作成しやすくなります。
ただ、テンプレートはあくまで土台なので、「不要な項目は削る」「足りない欄は足す」など、自分の用途に合わせて調整して使いましょう。

絵コンテに関するよくある質問

最後に、動画制作の絵コンテに関するよくある質問に回答します。作成にあたって迷いやすいポイントを整理をしているので、参考にしてみてください。

絵コンテの作成にどのくらい時間がかかりますか

絵コンテの作成時間は、動画の尺や目的、求める精度によって変わりますが、おおよその目安はあります。

たとえば、30秒〜1分程度の短い動画で、シナリオが固まっている場合なら、ラフな絵コンテは数時間〜半日ほどで形にできます。

一方、関係者が多いプロモーション動画やアニメーション、CMなどで、構図や演出まで細かく作り込む場合は、確認や修正を含めて数日程度かかることもあります。

外部の制作会社に絵コンテ単体を依頼する場合は、内容によって1週間ほど期間を要するケースも想定されます。

Lumiiでも、絵コンテの作り込み方は動画制作の段階によって変えています。提案段階のラフな絵コンテは、イメージをすり合わせることが目的なので比較的短い時間で用意します。

一方、そのまま動画化していく制作段階のコンテは、構図や演出を細かく作り込むため、相応の時間をかけて作成しています。

絵が描けなくても絵コンテは作れますか

はい、絵が描けなくても絵コンテは作れます。

動画制作における絵コンテは作品ではなく、意図を共有するための設計図だからです。棒人間や図形でも構図は伝えられますし、参考画像や画像生成AIを使う方法もあります。

Lumiiでも、絵の上手さよりも、伝えたいことが伝わるかどうかを重視しています。

制作会社に外注する場合も絵コンテは必要ですか

動画制作を外注する場合でも、絵コンテはあったほうが良いです。

完成イメージを共有できると、「作るかどうか」の判断や、方向性のすり合わせがしやすくなるためです。

私たちも提案段階から絵コンテを作り、クライアントとイメージを合わせることで、認識のずれを抑えています。発注側からしても、完成形をイメージできる分、安心感につながります。

アニメーション動画と実写動画で絵コンテの作り方は変わりますか

はい、実写動画とアニメーション動画では作り方が変わります。

実写では、撮影に向けた画角や演出のイメージを具体化することが中心です。

アニメーションでは、まず企画イメージをラフで固め、その後にデザインを起こすという2段階で進めます。

アニメーションのほうが、絵コンテの段階で作り込む情報が多くなる傾向があります。

どのくらい細かく描き込む必要がありますか

描き込みの細かさは、絵コンテの段階によって変わります。

提案段階のラフであれば、イメージが伝わる程度で十分です。

制作段階のコンテでは、そのまま動画化できるよう、構図や演出を具体的に描き込みます。共通する基準は、第三者が見て何のカットか分かるかどうかです。

目的に応じて粒度を調整しましょう。

まとめ

本記事では、動画制作における絵コンテの役割や基本フォーマット、書き方の6ステップ、効率化のツールまでを解説しました。

動画制作における絵コンテは、完成イメージを関係者で共有し、手戻りを減らすための設計図です。書き方の型を押さえれば、絵が得意でなくても、目的に沿った絵コンテを作れます。

なかでも大切なのは、「どう表現するか」よりも先に「何を伝えるか」を固めることです。メッセージが定まってこそ、絵や演出は活きてきます。

一方で、伝えたいことや表現のイメージが漠然としている場合は、プロに相談するのも一つの選択肢です。

株式会社Lumiiでは、企画の段階から「そのまま動画にできる粒度」の絵コンテを作り込み、実写・アニメーションの動画制作をワンストップで支援しています。「何を伝えればよいか」「どう表現すればよいか」が固まっていない段階でも、目的やターゲットの整理から一緒に考えながら形にできます。

また弊社では、企業とトップ動画クリエイターを直接マッチングすることで、業界相場の1/3以下の価格でハイクオリティな動画制作を行っています。絵コンテ作成から動画制作まで相談したい場合は、ぜひ本サービスの詳細もご覧ください。

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