クリニックの課題を解決する在宅医療プラットフォーム「ON CALL」

クリニックと患者をつなぐ在宅医療プラットフォームを提供する「株式会社on call」。

同社の「ON CALL」は在宅医療の提供が困難なクリニックに代わって、医師・看護師を紹介・代診するサービスです。

今回のインタビューでは、同社の代表取締役CEO符毅欣様(写真左)と取締役CMOの中溝祐介様(写真右)にサービスの詳細と今後の展望についてお話しを伺いました。

インタビュイー
符 毅欣
株式会社on call
代表取締役CEO

2017年京都大学医学部卒。虎の門病院泌尿器科、長野市民病院泌尿器科、江戸川病院泌尿器科を経て現株式会社on call代表取締役CEO。虎の門病院での研修の課程、地域研修で在宅医療の必要性や可能性を知る。非常勤医師として夜間休日の在宅診療に従事。病院勤務の傍ら在宅医療に関わる中で、地域医療の課題やクリニックが慢性的に抱える負担を体感。構造的な課題をシステム的に解決・軽減することを目的として株式会社on callを設立。

インタビュイー
中溝 祐介
株式会社on call
取締役CMO

1984年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、日本生命保険相互会社営業部長、株式会社ジンジブ大阪支社長・マーケティング部長を経てマーケティングコンサルタントとして独立。その後、家族の闘病をきっかけに医療業界の構造的な課題に当事者として直面。在宅医療の必要性を体感し、on call創業に参画。現株式会社on call取締役CMO。

目次

クリニックと患者をつなぐ在宅医療プラットフォーム「ON CALL」

Lumii

まず御社の事業内容からご紹介いただけますでしょうか?

中溝様

弊社が提供しているのは「在宅医療」と呼ばれる領域のサービスです。

あまり若い方にはなじみのない領域だと思うのですが、病院に通うのではなく、日常的に自宅にいながら医療を受けるというものです。

Lumii

在宅医療の領域で具体的にはどのようなサービスを提供されているのでしょうか?

中溝様

弊社では「ON CALL」という、クリニックと患者をつなぐ在宅医療プラットフォームを提供しています。

リソース不足などが原因で在宅医療の対応ができないクリニックに代わって、医師・看護師を紹介・代診するサービスです。

在宅医療をクリニックが提供する場合、基本的には24時間365日対応できる体制を構築する必要があります。

たとえば夜間に「急に具合が悪くなったので、今から見に来てほしい。」と連絡が来ることも頻繁にあります。

人員が十分にいるクリニックであれば問題ないですが、少人数で対応をしているクリニックの場合だと、体力的にも精神的にも大きな負担がかかってしまうことになります。

医師が1人しかいないクリニックなどであればなおさらです。

そのようなクリニックのリソース不足を解消するのが我々の「ON CALL」です。

Lumii

在宅医療を代行してもらえるというイメージですね。紹介される医師や看護師の方はどのような方なのでしょうか?

符様

医師は「急性期病院」と呼ばれる病院で日中は働いている方で、夜間の対応を「ON CALL」でしてもらっています。看護師の方は基本的には弊社のスタッフです。

中溝様

弊社では、基本的に若手の医師の方に登録していただいています。

若手の医師は柔軟性があり、積極性が高いという特徴があり、患者さんに寄り添った対応ができます。

またコミュニケーション能力に長けた方が多いのも特徴です。

ご自宅に伺って診療をするので、患者さんはもちろんのこと、ご家族の方とも円滑にコミュニケーションを取れることが非常に重要です。

このような医師を紹介するので、患者さん・クリニック双方に安心してサービスをご利用いただけています。

また医師の質を担保するために、今は一般公募を一切しておらず、紹介のみで医師の方には参画いただいています。

符様

医療業界全体での課題にもなりますが、地域医療を担っていく医師がどうしても高齢化してしまっているという状況があります。

そのような状況の中で、将来的に地域医療を支えていく医師を増やしていきたいという思いもあり、若手の医師を中心にしています。

高齢化社会では在宅医療の発展が必要

Lumii

ON CALLはどういったきっかけからスタートされたサービスなのでしょうか?

符様

私が臨床医として働いていたときに、在宅医療の発展が今後必要だと感じたことをきっかけにON CALLを立ち上げました。

実は病気の多くは慢性疾患と呼ばる「治らない病気」です。超高齢社会がすすみ、日本では多くの方は治らない病気と向き合い、うまく付き合っていきながら最期を迎えることになります。

患者さんにとって、どこで、誰と、どのような形で病気と向き合い、そして最期の時を迎えるかは非常に重要な問題です。

自宅や介護施設など、病院以外の場所で過ごしたいという希望を持たれている方も多く、それを叶えるのが在宅医療なのです。

しかし、現状はまだまだ病院で亡くなられる方がほとんどなのです。

そもそも在宅医療を受け付けていないクリニックも多いですし、クリニックが対応できないという理由で在宅医療から病院に戻されてしまう患者さんもいます。

そのような状況を少しでも変えていきたいという思いでON CALLを始めました。

ON CALLの導入によりクリニックの採用課題も解決する?

Lumii

ON CALLを導入されたクリニックではどのような効果が生まれていますか?

中溝様

クリニックに在籍している医師や看護師の負担を大きく軽減できるというのがまず一つです。

常勤医師が当番制で夜間の対応をしているクリニックは非常に多いのですが、どうしても過度な負担をかけてしまう場合があります。

また医師だけでなく、夜間電話対応する看護師や事務の方などにも当然負担がかかります。

このような業務をON CALLに切り替えていただくことで、多くのクリニックから負担が軽減されたというお声をいただいています。

加えて、実は採用の課題を解決するという効果もあるのです。

Lumii

採用の課題が解決できるというのはどういうことでしょうか?

中溝様

一般的には、どうしても夜間の対応はネガティブな見られ方をしてしまいます。

クリニックでの夜間対応を「夜間オンコール」と呼ぶのですが、この「夜間オンコール」があるのかないのかで求人の応募率が大幅に変わります。

多くの医師・看護師・事務の方が「夜間オンコール」がない職場で働きたいと思っているのが理由ですね。

そこでON CALLを導入していただければ、「日勤のみ」の求人を出せるようになるのです。

すると求人に対する応募が集まりやすくなり、採用コストをこれまでよりも抑えられるようになったというクリニックもあります。

Lumii

なるほど!負担軽減以外にも採用に対する効果も生まれるのですね。

中溝様

はい。優秀な医師を採用しやすくなったというお声も多くいただきます。

Lumii

それは素晴らしいですね。どういったクリニックにとって、ON CALLの導入がおすすめでしょうか?

中溝様

在宅医療を提供されていて、その負担が重く感じられているクリニックはもちろんのこと、今後新たに在宅医療を提供するクリニックを開業される場合にもおすすめです。

夜間対応が理由で、在宅医療の提供を躊躇しているクリニックも多いと思うのですが、最初から夜間対応を切り出してしまうことで、日中に集中することを前提としたサービス設計ができます。

いずれにしても、在宅医療を考えているクリニックには、メリットが大きいサービスなので、ぜひ導入していただきたいですね。

今後はより患者さんに寄り添えるサービスにしていきたい

Lumii

御社の今後の展望についてお伺いできますでしょうか?

符様

今後はクリニックと弊社がより円滑なコミュニケーションができるシステムを開発していきたいと思っています。

また在宅医療を取り巻く環境はクリニックだけでなく、患者さんが入院する大きな病院や地域の訪問看護師、介護施設など多くの方々が携わっています。

そういったより広範囲の連携に対応できるような仕組みも整えていきたいですね。

中溝様

弊社では「つながり、寄り添い、社会を支える。」という経営理念を掲げていまして、今後はより患者さんに寄り添えるサービスにしていきたいですね。

符がお伝えしていたコミュニケーションの円滑化もその一つですし、在宅医療だからこその安心感をより感じてもらうための仕組み作りなどにも取り組んでいきたいと思っています。

本当の意味で寄り添う医療を実現していきたいですね。

Lumii

最後になりますが、読者の方に一言メッセージがあればお願いいたします。

中溝様

非医療者だからこそ、医療業界は良くも悪くも慣習化してしまっている仕組みが多いと感じています。

それが効率化を生んでいる側面もあれば、患者さんとその家族が置き去りになってしまっているケースもある。

そのような業界の慣習やしきたりに囚われない、本当に患者さんのためになるサービスを作っていきたいです。

今は在宅医療に特化したサービスを提供していますが、今後は医療業界全体に影響力のあるサービス作りができたらと思っています。

符様

日本の高齢化が進んでいく中で、終末期のあり方などを我々が見出して、それを世界に発信していきたいですね。

サービス内容とは少し遠い話にはなってしまいましたが、このような発信も世界にとって非常に価値のあるものだと思っています。

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