「Ambient Intelligenceによって新たな世界を実現する」をビジョンに掲げ、AIサービスを提供する株式会社モルフォAIソリューションズ。
画像解析AIソリューション「みまもりAI:Duranta」は監視カメラ映像を活用し、事故の防止、混雑度合いの可視化、店舗レイアウトの改善などあらゆる場面で課題を解決することが可能です。
今回のインタビューでは、同社の事業管掌執行役員である古川祐督様に「みまもりAI:Duranta」の詳細について伺いました。
インタビュイー
古川 祐督
株式会社モルフォAIソリューションズ
事業管掌執行役員
2006年中央大学部法学部卒業後に起業。いくつか事業をピボットした後、シェアハウス事業でPMFし、ARR数億規模へ成長させる。その後、SEOベンダー、デジタルガレージ、ブレインパッドにてマネージャーを歴任し、BtoBの新規ソリューション開発やナショナルクライアントのマーケティング支援、データ活用のコンサルティングワークに従事する。2023年1月よりモルフォAIソリューションズの事業管掌執行役員として画像解析技術を用いたAIソリューションの事業開発、推進に取り組む。
AI技術を活用したサービスを展開する株式会社モルフォAIソリューションズ
本日はよろしくお願いいたします。まずは御社の事業内容からご紹介いただけると嬉しいです。
弊社は株式会社モルフォのグループ会社でして、モルフォとしてはこれまで20年にわたり画像処理や画像解析に特化したソリューション開発に取り組んでまいりました。
その中で、特に画像解析AI領域に関して、さらに幅広い世の中のニーズに応えていくために設立されたのが弊社「株式会社モルフォAIソリューションズ」です。
事業としては画像解析に関する受託開発や、AIカメラサービスの「みまもりAI:Duranta」とAI-OCRサービスの「FROG AI-OCR」を自社プロダクトとして開発/展開しています。
古川さんはどのようなことをご担当されているのでしょうか?
私は今年1月に事業管掌の執行役員として入社いたしました。
事業と組織を両面で見ており、事業に関してはマーケティングから営業、プロダクトマネジメント、デリバリーまで一貫して見ているということになります。
監視カメラにAIモデルを導入した「みまもりAI:Duranta」とは?
「みまもりAI:Duranta」とはどのようなサービスなのでしょうか?
「みまもりAI:Duranta」は監視カメラにAIモデルを導入して、例えば群衆をカウントして店舗内の混み状況を外部から可視化させたり、人の転倒を検知して事故防止につなげたりするサービスです。
たとえばDURANTAは、施設内の各設備や利用における異常な状態を検知したり、交通量を計測したり、不審行動を検知したりなど、幅広い用途/シチュエーションで活用されています。
また特徴としてはエッジAIカメラを活用することで、サーバー環境を構築することなく、カメラのみでAIモデルを動かすことが可能です。
サーバー環境を構築すると出来ることが増える一方コストも上がってしまうので、「みまもりAI:Duranta」のようにお客様が解決したい問題と予算に応じてサーバー構成かカメラ構成かを選択できるのは大きなメリットだと考えます。
実際の活用例について詳しく教えていただけますか?
先ほどお伝えした例の他には、店舗における顧客行動分析に活用されているケースもあります。
どのような順序で人々が店舗内を回遊して購買の検討をしているのかを分析することによって、ポップやキャンペーン、品揃え、陳列といった様々な施策へ展開することが可能です。
また高粗利商品群のエリア帯においては不審行動を万引き予防対策として活用されているケースもあります。
その他には、先ほども少し触れましたが工場などの施設で多様に発生している問題状況を検知するために活用されているケースがあります。
例えば工場内の設備に問題が発生しているのをAIが検知することで、事故の発生防止や抑止に繋げるといった使い方です。
工場だと気づかないうちに設備が劣化や故障をして、そこから大きな事故につながってしまうといったことがあり得ます。
そのような人々の監視の目が届ききらないシーンでは重宝されるソリューションだと考えます。
「みまもりAI:Duranta」で現場の人員不足を解消する
「みまもりAI:Duranta」を導入された企業ではどのような効果が生まれていますか?
いろいろとありますが、監視の工数削減や人員不足の解消効果が最も大きい印象です。
病院や介護施設などではこれまで定期的にスタッフの方が見回りすることで問題の早期対処に応じてきましたが、「みまもりAI:Duranta」を導入したことで異常を検知した際にすぐに現場に向かえるようなオペレーションに変更するといったことが可能になりました。
「みまもりAI:Duranta」を導入することで、夜間当直など、少ない人員でオペレーションを回さなければいけないようなシーンでは、より一層の効果を感じやすいのではないでしょうか。
「みまもりAI:Duranta」はどのような課題感を持たれている企業におすすめのサービスでしょうか?
人件費のコストに課題を感じられている企業様におすすめのサービスです。
先ほどお伝えした病院や介護施設などもそうですし、工場や商業施設などの警備員不足も今非常に深刻な問題になっていると感じます。
そのような場面で是非「みまもりAI:Duranta」をご活用していってもらえたらと思っています。
オペレーションに一定のルーティンが含まれているようなスキームでは特に効果を発揮しやすく、AIカメラを設置することで人が果たしている機能を支援、或いは代替できる可能性があります。
将来的にはスマートグラスにAI技術を応用
「みまもりAI:Duranta」の今後の展望についてお伺いできますでしょうか?
今後は「スマートグラス」などにも弊社のAI技術を応用できないか検討中です。
スマートグラスに映っている映像を解析して、作業の支援を促すような示唆出しが出来ないかと考えております。
商品の箱や紙といったアナログなものにQRコードやバーコードを付与/読み取りすることで勤怠管理、工程管理、業務管理、在庫管理などの機能ともシームレスにデータ連携することが出来るのではないかと考えております。
技能承継といった社会的な課題もあり、テクノロジーを活用することで業務の汎用化を支援することは意義のあることだと感じておりますし、最近ではスマートグラスの性能も一段と高まってきているので、今後活用の幅が広がっていくことを個人的には期待をしております。
最後になりますが、読者の方に一言メッセージがあればお願いいたします。
多くのメディアでも取り上げられているように、近年AIの技術は非常に早いスピードで進化を続けております。
みなさまが想像している以上にAIで解決可能なタスクも増えてきているので、ぜひ多くの会社様でAIの活用が進んでいくと良いなと思っております。
一方、具体的にお客様の課題をどのように設定し、ビジネス価値へどのように繋げるのかを紐解き、AIソリューションにまで落とし込めているベンダーはまだまだ足りていないな、という印象があります。
弊社では、AIそのものの技術はもちろんですが、その前段にあたる各企業様が対峙されている課題の本質にある問題設定と、ビジネスインパクトに繋がるAIソリューションの設計部分にも特に強みを持っておりますので、AIを活用したビジネス変革に興味のある企業様がいましたら、是非ともお声をかけてもらえると嬉しいです。
本日はありがとうございました。