監視の人手不足を解消する映像エッジプラットフォーム「EDGEMATRIXサービス」

EDGEMATRIX株式会社は、「映像エッジAI」の技術開発や、デプロイプラットフォームを提供する企業です。

今回のインタビューでは、同社の映像エッジプラットフォーム「EDGEMATRIX(エッジマトリクス)サービス」の詳細について、営業開発部の担当部長を務める久永琢磨様にお話を伺いました。

インタビュイー
久永 琢磨
EDGEMATRIX株式会社
営業開発部 担当部長

新卒で半導体メーカーに入社。セールス、車載モジュールの設計担当を経験したのち、戦略部でIoTビジネスの立上げに従事。IoTビジネスへの知見を広げるために、コンサルティングファームにてAI及びデータ分析プロジェクトを経験。2019年よりEDGEMATRIXに参画。道路インフラ企業の画像AIプロジェクトの立上げなど、社会実装に向けた提案活動や代理店開拓を推進。

目次

「映像エッジAI」の基盤技術を開発するEDGEMATRIX株式会社

Lumii

御社の事業内容から伺えると嬉しいです。

久永様

私たちは主に三つの事業を手がけています。

一つ目は映像エッジAIの「EDGEMATRIX(エッジマトリクス)サービス」です。

これは、世の中に存在するカメラをAIカメラ化、IoTカメラ化できる「Edge AI Box」というエッジコンピューターとそれを管理するクラウドサービスを提供するものです。

次に、お客様のニーズに合わせたAIソリューションの提案・実現をサポートする事業です。たとえば、特定のAI検出機能を実装したい、または特別なAIソリューションを立ち上げたいといったご要望に応えるカスタムソリューションの提供や、それらの構築を行います。

最後に、先に触れたEDGEMATRIXサービスで使用しているEdge AI Boxというエッジコンピューターの製品販売を行っています。

Lumii

久永さんはどのようなことをご担当されていますか?

久永様

私の役割は営業で、代理店企業様と協業しながらビジネスを拡大しています。

具体的には、新たな代理店との関係構築、そして案件を獲得するための伴走支援を行っています。

映像エッジプラットフォーム「EDGEMATRIX(エッジマトリクス)サービス」

Lumii

「EDGEMATRIX(エッジマトリクス)サービス」とはどのようなサービスなのでしょうか?

久永様

「EDGEMATRIXサービス」は、既存のカメラでも新しいカメラでも、それらを簡単にAIカメラに変えるサービスです。

久永様

監視カメラの需要が増える一方で、人手不足や様々な課題が生じている現状があり、それらの課題をAIカメラを通じて解決することを目的としています。

「AI」と聞くと、AIの精度や性能に注目が集まりがちですが、実際にAIカメラを導入する際にはセキュリティや管理のしやすさなどの側面も重要です。

EDGEMATRIXサービスでは、運用面まで含めた総合的なサービスを提供することで、より効果的なAIカメラ活用を実現しています。

Lumii

AIカメラにもさまざまな種類があるかと思いますが、御社サービスならではの強みについて教えてください。

久永様

一般的にAIカメラというと、カメラにAIアプリケーションが組み込まれているものを想像されるかと思います。

当社はカメラを現場の環境に応じて、遠距離であれば望遠、夜間であれば赤外線といったように自由に選び、Edge AI Boxに接続してAIカメラとして利用できるという点が強みです。

また、Edge AI Boxで動かすAIアプリケーションを目的に併せて選び、取り換えることができます。そして、Edge AI Boxを使うAIアプリケーションのベンダーの皆様は、アプリケーションの開発には非常に優れたスキルを持っています。たとえば、人や車を検出する技術など、技術面での能力は非常に高いです。

しかし、カメラの選定やネットワークセキュリティの構築など、運用面は必ずしも得意ではない場合があります。

この課題を解決するために、私たちはEDGEMATRIXサービスというプラットフォームを提供しています。

このサービスは、スマートフォンと管理プラットフォームの関係性に似ており、アプリストアのような形で優秀なアプリベンダーの皆様にアプリを提供してもらうことを目指しています。

久永様

私たちが提供するのは、アプリを動かすための端末であるEdge AI Boxや、それを遠隔で管理するプラットフォームです。これに加えて、設置工事や設置サポートまでご要望に応じて対応いたします。

このように、自社で一貫してご提供しているサービスは業界にほとんどなく、我々の独自サービスとなっています。

Lumii

どのようなきっかけから始められたサービスなのでしょうか?

久永様

当時会社としてAI開発を主眼としてプロジェクトを進めていたものの、蓋を開けるとカメラとAIをどのように連携させるかやメンテナンス等の遠隔制御など、他の部分に課題があることがわかり、そこからAIプラットフォームを提供するアイデアにつながっています。

リソース不足の不法投棄現場の監視に活用

Lumii

EDGEMATRIXサービスの導入効果について教えてください。

久永様

わかりやすい事例ですと、九州の自治体様にEDGEMATRIXサービスを導入していただき、不法投棄現場の監視に役立てていただいています。

不法投棄現場にカメラを設置していても、監視するためのリソースが足りずに困っているというケースは非常によくあります。

当社のサービスを導入していただければ、不法投棄の動きを自動的にAIが検知することができるので、常時監視するようなリソースを必要としません。

またEDGEMATRIXサービスは、Edge AI Boxとカメラ、電源さえあればすぐに導入できるので、スムーズに活用できることもポイントです。ちなみにこの案件では、ソーラー利用もポイントになります。人が行けない遠隔地では、省電力で稼働出来るということも大きなメリットになりました。

Lumii

AIカメラを導入する企業や自治体側も何ができるのかイメージできていないこともあるかと思うのですが、御社ではそのような課題に対してもサポートがあるのでしょうか?

久永様

AIカメラの導入を検討されている方々が、具体的に何ができるのかイメージできていないことは、よくある問題ですね。

その点についても、私たちはサポートを提供しています。まず、お客様のご要望を詳しくお聞きした上で、簡単に始められるパッケージ商品をいくつか提案しています。

その後、実際にお客様が望んでいることと、AIで対応可能な範囲を照らし合わせ、最適な解決策を見つけていくアプローチをとっています。

「AIを活用したソリューション」と聞くと、高額で導入ハードルが高いイメージを持たれる方も多いですが、実際には比較的安価で迅速に導入できることも少なくありません。

まずは簡易的なパッケージから導入していただき、徐々に活用範囲を広げていくことが大切です。

Lumii

EDGEMATRIXサービスはどのような企業におすすめのサービスですか?

久永様

当社のサービスはインフラ関連の企業様や、地方自治体様におすすめのサービスです。

私たちのサービスの大きな強みは、特に屋外や遠隔地でのカメラ管理をAIを用いて行うことができる点にあります。

そのため、これまでカメラの活用が困難だった、山奥や、海辺、川辺などでも対応することが可能です。

従来は難しいとされていたエリアでも監視体制を整えることができるため、広範囲の土地を管理しなければならない場合に適したサービスです。

物流業界の2024年問題を始めとして、あらゆる社会課題の解決を目指す

Lumii

今後の展望について教えていただけると嬉しいです。

久永様

私たちのサービスは、画像とAIを組み合わせて人の目を代替し、新たな価値を生み出すことを目指しています。

特に注目しているのは、物流業界の2024年問題や、まだ多くの作業が人の手によって行われている工事現場の課題です。

我々はこれらの課題を持つ皆様と積極的に対話を重ね、問題解決に貢献できるよう、プラットフォームを拡大していきたいと考えています。

Lumii

最後に一言メッセージをお願いします。

久永様

観光資源が今後ますます注目されていく中、自治体が運営する施設の利用状況をデータ化、数値化するニーズが高まっています。

たとえば、道の駅などに当社のサービスを導入いただくこともあるので、AIカメラの活用をご検討されている自治体様はぜひご相談いただけると嬉しいです。

また最近ではレンタル事業も展開を始めており、スポットでのご利用も増えてきています。

これまで予算の関係で導入できなかった企業様にも、柔軟に対応できるレンタルプランをご用意しているので、ぜひこちらもご検討ください。

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