最先端のAI技術を駆使して、新たなWi-Fiセンシングサービスを提供するai6株式会社。
今回のインタビューでは、同社の取締役を務める角谷友行様に、Wi-Fiセンシングサービスの詳細や、今後のビジョンについて伺いました。
インタビュイー
角谷 友行
ai6株式会社
取締役
Growth Hack、戦略立案分析のスペシャリストとして、Webを使ったTVCM効果計測、Life Time Valueの導入、ANOVA分析による事業分析など新しい形でのプロモーション効果測定による事業促進を実現。モバイルサイトの新規立ち上げから、数百万人規模のビッグサイトへと成長させた経験を持つ。新規事業開拓を複数担当した経験を通して、マーケティング、知財戦略から「新しい価値」を生み出すことが事業成長、スタートアップの最も重要な要素であることを信条としている。
AIを活用したWi-Fiセンシングサービスを提供するai6株式会社
まずは御社の事業内容からご紹介いただけますでしょうか?
当社は「Wi-Fiセンシング」と呼ばれるWi-Fi端末が通信する際のあらゆる電波情報を解析するセンシングサービスを提供しています。
またWi-Fiセンシングのプラットフォームの提供も行っています。
「Wi-FiセンシングAPI」とはどのようなサービスなのでしょうか?
「Wi-FiセンシングAPI」は、Wi-Fiセンシングを行うために必要となる端末とデータ解析を行うクラウドシステムをワンセットで提供するサービスで、当社のAPIを活用して事業を構築していただくことが可能です。
現在はトライアルキットを販売しており、トライアルキットを通じてWi-Fiセンシングに対するご理解を深めていただける環境を用意しています。トライアルキットのオンライン説明会に参加された方向けに、Wi-Fiセンシングのコミュニティサイトも開設しました。
プライバシーを侵害することなく屋内の見守りが可能に
他のIoTセンシングと比較して、御社のWi-Fiセンシングにはどのような特徴がありますか?
当社のWi-Fiセンシングには、大きく2つの特徴があります。
1つ目の特徴は、ウェアラブルデバイスではないため、体に何もつけなくても部屋の中の人の動きを把握できる点です。
2つ目の特徴は、カメラを使用しないため、プライバシーを侵害しない点です。
たとえば、シャワールームやトイレなど、カメラが使えない場合でも、プライバシーを侵害することなく、屋内のセンシングができます。
どのようなきっかけからWi-Fiセンシングの技術を開発されたのでしょうか?
もともとWi-Fiセンシングの技術は、アメリカのメリーランド大学で開発されました。
当社の前身となる企業は、メリーランド大学発のベンチャー企業の日本法人として設立され、日本の事業環境に特化することを目的に独立してサービスを提供するようになりました。
メリーランド大学で開発されたWi-Fiセンシング技術があまりにも素晴らしいものであったため、社会実装していく必要性を強く感じ、サービスの拡大を進めています。
Wi-Fiセンシングサービスの導入効果について教えてください。
「人に優しい見守りができる」と好評いただいています。
たとえば、離れた場所に高齢者の方が1人で住まれている場合、ケアマネージャーが週に1回程度訪問したり、電話で状況を確認したりすることはできますが、日々の生活の様子をリアルタイムに確認するのは難しいです。
その点、Wi-Fiセンシングは24時間365日部屋の動きを確認できるので、いつでも状況を把握できます。
また当社のAPIをご利用いただいている企業様からは、Wi-Fiセンシングを柔軟にサービスに組み込める点をご評価いただいています。
たとえば、成田空港ではプレミアムラウンジのシャワールームで、Wi-Fiセンシング技術が採用された実績があります。
通常シャワールームはプライバシーの観点から監視が難しいエリアですが、Wi-Fiセンシングを使うことで、プライバシーに配慮しながらシャワーを利用している人がいないかなどをリアルタイムに把握可能です。
従来では監視が難しいエリアをいつでもすぐに確認できるので、お喜びの声を多くいただいています。
どのような企業におすすめのサービスでしょうか?
プライバシーの配慮が必要だったり、リアルタイムでの監視が必要だったりするなど、制約がある中で「人に優しい検知」を必要とするサービスを提供している会社様にとっては、非常に有効なソリューションだと考えています。
高齢者の方が元気で豊かになれるようなソリューションを開発していきたい
今後の会社の展望についてお伺いできますでしょうか?
現在、当社ではBtoB向けのAPIサービスとBtoC向けの見守りセキュリティサービス「Hex Home」を提供しています。
今後は、特に独居高齢者の見守りに特化するようなサービスを展開していきたいと考えています。
たとえば、日々の活動状況を分析して、活動量が減少してきた際には活動量を増やすきっかけを与えるなど、高齢者の生活を向上できるようなソリューションの提供を検討中です。
こうした取り組みにより、多くの方が元気で豊かな生活を送れるように、支援していきたいと思っています。
読者の方に一言メッセージをお願いします。
当社が扱っているWi-Fiセンシングは、現状ではまだ広く知られていません。
まずはWi-Fiセンシングがどのような技術で、何ができるのかを、ぜひ一度体験していただきたいです。
サービス提供者の皆様が価値を最大化できるように一緒に考えていきたいと思っています。