LIFE STYLE株式会社は、360°画像や動画を中心とするコンテンツ制作事業を展開する企業です。
今回のインタビューでは、同社の代表取締役を務める古城芳明様に、「Flic360」の詳細や、360°コンテンツのメリット、今後の展望などについてお話しを伺いました。
インタビュイー
古城 芳明
LIFE STYLE株式会社
代表取締役
新卒でインターネット回線の営業会社に入社。BtoCサービスの飛び込み営業、営業組織のコンサルティングなど、営業に特化した業務に従事する。2014年、創業メンバーとしてLIFE STYLEに参画。営業部長、管理部門、新規事業の立ち上げなどを経て、2020年から現職。
360°画像を駆使して企業のプロモーション・DXを支援
最初に御社の事業内容についてご紹介をお願いします。
当社は、360°画像や動画を中心とするコンテンツ制作事業を展開しています。
360°コンテンツは、商品プロモーションや採用活動、業務効率化などさまざまな用途で活用されており、当社では主に不動産物件のプロモーション用コンテンツと、業務効率化を目的とした建設現場の進捗管理用コンテンツを制作しています。
直近では、360°画像を用いたアプリケーションの開発をされる企業様が増えていまして、当社の経験をもとに、事業開発や営業マーケティングの支援も行っています。
これまでに2,000社以上の企業様からご発注いただき、累計2万件以上のコンテンツを制作してきました。
古城さんのご経歴について教えてください。
私は営業コンサル・営業代行会社からキャリアをスタートさせました。
当時は主に自社チームやクライアントの営業チームをマネジメントしながら、インターネット回線の販売を行っていたのですが、そのときに当社の創業者と出会い、起業するタイミングで創業メンバーとして声をかけてもらい、LIFE STYLEに参画しました。
創業直後は、屋内版Googleストリートビューの販売とコンテンツ制作から事業を始め、私は営業の責任者として販売やチームのマネジメントをしてきました。
2020年3月に代表を引き継ぎ、現在に至ります。
360°コンテンツを企画から運用までワンストップで支援
「Flic360」とはどのようなサービスなのでしょうか?
Flic360は、当社が360°コンテンツを用いて企業様を支援するサービスの総称です。
360°コンテンツはあくまでも手段に過ぎず、お客様には360°コンテンツを活用して解決したいさまざまな課題があります。
それらの課題に対して、当社の360°コンテンツの制作ノウハウと、営業やマーケティングのノウハウをもとに、企画から、撮影、運用までワンストップで最適な支援を提供できるのがFlic360の特徴です。
サービス提供のきっかけについて教えてください。
創業当初はGoogleストリートビューの販売事業をしていましたが、自社サービスも展開したいと考えたのがきっかけです。
「VR元年」と言われた2017年に360°コンテンツの制作サービスを始めましたが、当時はあまり売れませんでした。
市場に対してサービスを提供するのが早過ぎたことも原因としてありますが、お客様の課題解決ではなく、360°コンテンツの導入を目的とした提案をしてしまっていたことが一番の原因でした。
その経験をもとに、改めて360°コンテンツの価値を見直し、プロモーションだけでなくDXなどの観点でも提案していくことで、サービスを拡大してきました。
360°コンテンツなら「死角がない」
静止画や動画など、あらゆるコンテンツの種類があるかと思いますが、360°コンテンツならではの良さは何ですか?
360°コンテンツは、「死角がない」ことが最も大きな特徴で、コンテンツを見ている方が能動的に情報を収集できます。またその場にいるような体験ができるのも、一般的な動画や静止画と大きく異なる点です。
他にも360°コンテンツは、業務効率化の手段として活用されるケースもあります。
たとえば建設業の現場では、進捗管理をするために現場の写真を撮影する必要があるのですが、撮影する範囲が広いので撮影には非常に時間がかかります。360°カメラを 活用すれば、シャッターを1回押していただくだけで、全ての撮影が完了します。また撮影漏れなども発生しないので、工数を大幅に削減しながら、ミスを防ぐことも可能です。
360°コンテンツはどのような目的で使われることが多いのでしょうか?
不動産業では、物件紹介などプロモーション目的での利用が最も多く、販売のリードタイムを短くしたり、経費を削減したりすることを目的とされる場合もあります。
その他に、建設業の場合は現場の進捗管理と共有、観光業の場合は観光地のプロモーションとしてご利用いただいています。
また採用を目的に360°コンテンツを活用いただくこともあり、リアルなオフィスの雰囲気を伝えることで、応募につなげていただくことが可能です。
360°コンテンツの導入で工数削減・業務効率化
サービス導入による効果について教えてください。
不動産業では、新築物件を売るために実物の家具を搬入することが多いのですが、家具の発注や搬入に多くのコストがかかります。
その点、360°コンテンツにはCGで家具データを挿入することが可能です。
それによって、家具の発注・搬入コストを削減でき、販売におけるリードタイムを短縮化できます。
また賃貸の場合には、あらかじめ360°コンテンツを制作しておくことで、人が住んでいても部屋の様子を入居者に見せることができ、スムーズに次の入居者募集を開始できます。
直接内見に行く必要もなくなるので、営業工数の削減にもつなげることが可能です。
その他建設業では、「2024年問題」があり、業務の効率化が急務となっています。
そこで、360°コンテンツをご活用いただくことで、現場の撮影時間を短縮したり、現場への訪問回数を減らすことができます。
Flic360はどのような企業におすすめのサービスでしょうか?
Flic360は、実写で空間を見せるサービスですので、空間 を創ったり提供されている企業様と非常に相性がいいです。
当社の実績としては、不動産業、建設業、観光業の企業様からご依頼いただくことが多いですね。
デジタルツインの実現によりさらなる業務効率化を目指す
今後の展望について伺えると嬉しいです。
360°コンテンツを通じて、お客様の課題をさらに解決できるサービスに成長させていきたいと思っています。
そこで、今取り組み始めているのが、デジタルツインの実現です。
デジタルツインとは、実際に存在する場所をデジタル上で再現する技術のことを指し、この技術を応用することでさらなる業務効率化を目指しています。
今後は360°コンテンツのデータを空間データ化できるように開発を進め、360°コンテンツの活用の幅を広げていきたいと思っています。