「熱中対策ウォッチ カナリア」の開発・販売を行うBiodata Bank株式会社。
同社のカナリアは、人の深部体温を計測し、独自のアルゴリズムで熱中症を未然に防ぐサービスです。
今回のインタビューでは、Biodata Bank株式会社の代表取締役である安才武志様にカナリアの詳細や、今後のビジョンについて伺いました。
インタビュイー
安才 武志
Biodata Bank株式会社
代表取締役
早稲田大学卒業後、Sansan株式会社入社。Global Operations Managerを務め、日本およびグローバルでの名刺データ入力体制を確立。2018年、Biodata Bank株式会社を設立し、代表取締役に就任。
熱中症を未然に防ぐウェアラブルデバイス「熱中対策ウォッチ カナリア」
御社の事業内容からご紹介いただけますでしょうか?
当社は熱中症を未然に防ぐウェアラブルデバイス「熱中対策ウォッチ カナリア」(以下カナリア)の製造販売を主に行っています。
また最近では、カナリアで蓄積したデータを分析してレポート化する「見えるんです」というサービスも提供しています。
カナリアとはどのような商品なのでしょうか?
カナリアは体の深部体温を計測できるウェアラブルデバイスです。
深部体温の上昇を推測して検知すると音と光で通知する仕組みになっており、熱中症を未然に防げます。
熱中症は毎年ニュースでも取り上げられるように重大な課題なのですが、意外と熱中症の対策は進化していないんです。
水をこまめに飲んで休憩したり、空調服を着たりといった対策はあるのですが、それだと個々人に合わせた熱中症対策はできません。
暑さに強い人もいれば、弱い人もいますし、普段暑さに強くても、たまたまその日は体調が悪いという場合もあります。
そのような個々人の状態を無視した、画一的な対策では、効果的な熱中症対策は実現できません。
その点、カナリアであれば腕につけているだけで、それぞれの深部体温を推測して、危険なタイミングをお知らせしてくれます。
カナリアをつけていることで、個々人が危険なタイミングがわかるのですね。
はい。
当社の独自アルゴリズムによって、深部体温の変化を捉えて、熱中症を発症する2歩手前を目安に通知するように設計されています。
アラームが鳴ったタイミングで、休憩に入っていただき、涼しい場所で水分補給をしながら、深部体温が安全な値になるまで待ちます。
深部体温が安全な値に戻ったことを確認できたら、また作業に戻ります。
このように、使用方法も非常にシンプルなので、運用で困ることもありません。
またカナリアはあえて機能を最小限にしているからこそ、導入コストも抑えられています。
アナログな解決策しかない熱中症対策をDX化したい
カナリアはどのようなきっかけから開発されたのでしょうか?
サッカーをしていた経験から、熱中症の対策に関心があったのですが、熱中症の対策として推奨されているのが「塩飴」や「水分補給」などしかなく、非常にアナログだと感じたのがカナリアを開発したきっかけになっています。
世界中でこれだけ問題視されているにも関わらず、DX化がまったくといっていいほど進んでいないのが熱中症対策の領域です。
ITの力で熱中症対策に取り組みたいという気持ちから、深部体温を研究している生理学の先生などに相談しながら、プロトタイプを作りました。
カナリアはどのような場面で活用されるものなのでしょうか?また導入による効果についても教えてください。
カナリアは工事や建築土木、警備など、肉体労働で負荷がかかりやすい場面で活用されることが多いです。
最近では、スポーツや中学生の部活動で活用いただくケースもあります。
カナリアを導入していただいたことの効果を定量的に比較するのは難しいのですが、カナリアを導入していただいた企業様からは「熱中症を予防する意識が変わりました。」「熱中症が一人も出ませんでした。」というお声をいただきます。
カナリアで蓄積したデータを元にした分析サービス「見えるんです」
カナリアのデータを活用したデータ分析サービス「見えるんです」はどのようなサービスなのでしょうか?
「見えるんです」はカナリアで蓄積したデータを元にして、アラームが鳴りやすい時間帯を分析したり、作業現場ごとのアラームの通知率を比較したりできる産業医監修の熱中症リスク見える化サービスです。
この分析データを元にして、より効果的な休憩スケジュールを作ることに役立てることが可能です。
熱中症対策のためには、休憩をこまめに取ることが重要ですが、休憩を取るべきタイミングは時期や現場の環境(地域など)によっても異なります。
各企業にとって最適な熱中症対策を実現できるのが、「見えるんです」の強みです。
今後は通信機能を搭載してデバイスをさらに改善していきたい
今後の御社の展望についてお伺いできますでしょうか?
今後はカナリアに通信機能を搭載することで、リアルタイムに深部体温のデータを確認できるようにしたいと考えています。
またアラームを2段階の設定にすることで、より細かく現状が把握できるようにも改善していく予定です。
将来的には当社が取得できる深部体温のデータをあらゆるデバイスやデータと連携することで、新たなソリューションも開発していきたいと考えています。
最後になりますが、読者の方に一言メッセージがあればお願いいたします。
熱中症対策でお困りの場合には、当社のカナリアがお役に立てますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
併せて「見えるんです」によるレポート分析も行っていただくことで、より効率的に熱中症の対策をしていただくことも可能です。
ご興味がありましたら、ぜひ当社サイトをご覧ください。