株式会社LangCoreは、月額10万円から利用可能な生成AIコンサルティングサービスおよびシステム開発を提供する企業です。
今回のインタビューでは、同社の生成AIコンサルティングサービスの詳細や、生成AI活用のためのアドバイス、会社の展望などについて、共同代表取締役兼COOの高木陽介様にお話しを伺いました。
インタビュイー
高木 陽介
株式会社LangCore
共同代表取締役兼COO
同志社大学理工学部を卒業後、新卒で楽天に入社し楽天モバイル部門RFエンジニアとして無線基地局エンジニアリング部隊の立ち上げに従事。2020年にHRBrainのソフトウェアエンジニアとして入社。その後インフルエンサーエージェンシー事業会社を創業し、2022年5月にM&Aでイグジット。2023年に株式会社LangCoreを共同創業。
生成AI技術専門の開発会社「株式会社LangCore」
まず御社の事業内容からご紹介ください。
当社は、生成AIを活用したコンサルティングサービスやシステムの受託開発を行っています。
当社は、単に依頼された開発を行うだけでなく、クライアントの新規事業が成功するようにコンサルティングを提供したり、業務改善を通じてコスト削減を実現したりすることに注力しています。
私たちのサービスの特徴は、いきなり大規模なシステム開発を行うのではなく、ミニマムでAI部分の機能に絞って開発し、その精度やコンセプトの検証を行いながら、徐々に周辺のシステムを開発していくプロセスを採用しています。このようなフローにすることで「多額の投資を行った結果、プロダクトが使われず損をしてしまった」というケースを防ぐことができます。
高木さんのご経歴について教えてください。
私は、同志社大学の理工学部で自然言語処理の研究を行っており、卒業後は新卒で楽天株式会社に入社しました。
最初は楽天モバイルの部署で無線系のエンジニアとして働き、その後HRBrainというSaaSスタートアップに転職しました。ソフトウェアエンジニアとして働きながら、自らの会社を立ち上げてインフルエンサー事業にも取り組んでいました。
創業から約1年半でインフルエンサー事業を売却し、その後フリーランスのエンジニアを経て、現在に至ります。
生成AIのコンサルティング・開発サービスを提供
御社の生成AIコンサルティング・開発サービスの特徴について教えてください。
当社の生成AIコンサルティングは、生成AI開発に関する技術顧問やスポットコンサルティングサービスとして提供しており、月額10万円から30万円で利用可能です。弊社の過去の開発事例や技術調査を通じて、生成AIの具体的な活用方法のアドバイスなどを提供しています。
また開発サービスでは、アジャイル開発を採用し、クライアントとの定例ミーティングを通じて、週ごとに成果を報告し、開発を進めています。単なる開発会社ではなく、発注元企業の1つのチームとして、プロジェクトを推進することを大切にしています。
どのようなきっかけからサービス提供を開始されたのでしょうか?
当社は、創業者が共にエンジニア出身であり、これまで多くの開発に携わってきました。
新たなWebサービスを開発する際に、多くの開発費用をかけたにも関わらず、思ったほど売れなかったという失敗は、往々にしてあるかと思います。
特にAI領域に関しては、サービスのコンセプトとAIの精度がサービスとして耐えうるかという観点もあり、通常のWebサービス開発よりも不確実性が高いです。
そのような新規事業における開発リスクを最小限にしたいという思いから、LangCoreを設立し、現在のサービス提供を開始しました。
御社のサービスは、どのような課題を持たれている企業におすすめですか?
当社のサービスは、主に「業務改善を図りたい企業」「新規事業を立ち上げたい企業」におすすめのサービスです。
まず「業務改善を図りたい企業」に対しては、業務の棚卸しやAI導入による効率化を中心にサポートしています。
次に「新規事業を立ち上げたい企業」に対しては、生成AIを活用した新規事業アイデアの創出や事業化の方法をアドバイスしています。具体的な生成AIの活用方法、セキュリティ対策など幅広い観点でご相談をいただいています。
実際に生成AIを活用できている企業はほとんどないのが現状かと思いますが、企業が効果的にAIを活用するためのアドバイスなどがあれば教えてください。
効果的にAIを活用するためには、「業務の見える化」と「データ整備」を行うことで、小さな成功体験を積むことが大切だと思っています。
まず社内業務のボトルネックを見つけるためには、業務の見える化が欠かせません。どの業務にどれだけの工数がかかっているのかを明らかにします。
次に社内に散らばっているあらゆるデータを整備して、情報として言語化します。生成AIをうまく活用するためには、言語化することが非常に重要で、社内の暗黙知となっている情報をAIで処理することは困難です。
これらのプロセスを経て、まずは小さな成功体験を積むところから始めます。
「生成AI活用」と聞くと、全社への社用ChatGPT導入など、いきなり大きなプロジェクトを進めようと考えてしまう方もいらっしゃるのですが、それでは中々生成AIの活用までは進みません。
最初は部分的に生成AIを導入して、「メールの返信速度が〇%改善された」「ミーティングの議事録の作成が〇分短縮された」など、小さな成果を生み出してみることが重要だと考えています。
そのような活動を通じて、生成AIでできること/できないことを理解していく必要があります。また、経験が蓄積されていくと、徐々に大きな改善につなげられるようになります。
今後はAIを活用して企業の価値向上や利益率改善を目指す
会社の展望について教えてください。
現在当社では、技術相談や開発をメインに事業展開しています。しかし、これからはより上流のコンサルティング業務をサポートしていき、AIを活用して企業の価値向上や利益率の改善に貢献することを目指しています。
また自社サービスの開発にも今後力を入れていく予定です。現在、いくつかのサービスについて検討を進めており、AIを使って世の中を感動させることがLangCoreの使命と考えています。
これらのサービスを拡販していくことも目標の1つです。
読者の方に一言メッセージをお願いします。
当社では、ChatGPTやその他の生成AI技術を活用した新規事業の立ち上げ、業務改善、そしてスポットでの技術相談を数多くいただいております。生成AI技術に関心のある企業様は、ぜひお問い合わせいただけると嬉しいです。
また最近では、上場企業や大手企業からの関心が高まっており、プロジェクトの規模も以前に比べて大きくなってきています。生成AIに強みを持つエンジニアの方や、コンサルタントの方も積極的に採用していますので、ご興味があればぜひカジュアル面談にお申し込みください。