アルファコム株式会社はコンタクトセンター向けのチャットシステム、通話録音システムを提供する会社です。
同社の「voistore」はコンタクトセンターで運用するために必要な機能を徹底的に追求した通話録音システムで、感情解析を行うことも可能です。
今回のインタビューでは、同社の事業開発部・部長である垣内隆志様に「voistore」の詳細について伺いました。
インタビュイー
垣内 隆志
アルファコム株式会社
事業開発部 部長
アウトソーサーや事業会社でのコンタクトセンターの設計・運営を多く経験した後、LINE株式会社にてLINE CustomerConnectの立ち上げを経験。チャットやLINEでのカスタマーサポートを世に広める。その後、accentureグループのIMJにてコンサルタントとして従事した後、アルファコムに参画。
コールセンター向けソリューションを提供するアルファコム株式会社
まず御社の事業内容からご紹介いただけますでしょうか?
弊社では、コールセンター向けのソリューションを販売しています。
主に扱っているのが「voistore」という通話録音システムです。
また「M-Talk」と呼ばれるコールセンターで使うチャットシステムも提供しています。
この2つの商品を中心に、他にも「LINE公式アカウント」などチャットに付随するような商品も扱っています。
垣内さんはどのようなことをご担当されているのでしょうか?
私は会社全体の商材に関するマーケティングをメインに担当しています。
各商材に関するセミナーや広告出稿などを行っています。
感情解析機能によってコールセンターの品質が改善される?
voistoreとはどういったサービスなのでしょうか?
voistoreはコールセンターで使う通話録音システムです。
コールセンターに電話をかけると「品質向上のために録音されています。」という音声が流れるのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
そのような録音をしている機器がvoistoreだと思っていただけると、わかりやすいかと思います。
私も何度も聞いたことがあります。録音した音声はどういった目的で利用されているのでしょうか?
主な用途は応対品質の向上です。
録音した音声を後から振り返り、トーク内容の改善に活かしたり、トラブルが発生してしまった際に音声を聞き起こして解決を図ったりしています。
また最近新たに「感情解析」機能が追加されました。
音声をAIで分析し、電話をしているお客様の状態が良いのか悪いのかを解析できます。
興味深い機能ですね。感情解析によってどのようなことができるのでしょうか?
たとえば通販事業者の場合だと、電話をかけているお客様が良い状態であれば、追加の提案をすることで売上アップに繋げられます。
逆に状態が悪い場合には、ご案内の仕方が悪くて、お客様にイライラされてしまっているかもしれません。
そのようなサインを検知した場合には、管理者の方がヘルプで入るなどしてフォローができます。
おぉー!それは非常に便利な機能ですね。
他にもオペレーターの方を評価する目的で使われることも多いですね。
多くのコールセンターでは、オペレーターの方を評価する際に録音した音声をチェックするのですが、月に何百本という電話をしているので、サンプルを取り出すのが難しいという課題があります。
たとえば1ヶ月で500本の電話をしている中で、評価のために3本ほどサンプルを選ぶとしましょう。
すると、その3本が雑談メインの電話になっていたり、サービスと関係のない話題が中心になっていたりするなど、評価の対象としては不適切な場合が頻繁に発生してしまいます。
先ほどもお伝えしたようにvoistoreでは、会話の良し悪しを解析できるので、どの会話を評価対象にすべきかがすぐにわかります。
会話の状態が良いサンプルを1つと、会話の状態が悪いサンプルを2つ取り出して評価できるというイメージですね。
大きなコールセンターであれば、このような評価の仕組みは必ず取り入れていますので、管理者側の工数削減にも貢献できます。
voistore導入による数多くのメリット
voistoreを導入された企業ではどのような効果が生まれていますか?
まずは応対品質の向上が挙げられます。
先ほど説明したように、解析機能によって、どの通話が良かったのか、悪かったのかがすぐに判断可能です。
すると、フィードバックをする方もより質の高いアドバイスをしやすくなるので、自然とオペレーターの方のスキルも高まりやすくなります。
次に対応スピードの向上も期待できます。
クレームが発生した場合などには、会話のどのポイントで問題が起きたのかを即座に判断して、すぐに対応が可能です。
また実はオペレーターの離職率改善にも効果があります。
感情解析機能は電話をかけているお客様だけでなく、対応をしているオペレーターの分析も可能です。
会話の状態から、ストレスが溜まっていそうな方や状態が良くない方をすぐに特定できます。
そういったオペレーターのフォローアップに注力することで、スキルが向上し、結果として長く働いてもらいやすくなるのです。
人間誰しも自分が向いていると思える仕事は長く続けたいと思うものだと思いますし、逆に向いていないと感じるとモチベーションはどんどん下がってしまうと思います。
オペレーターの感情解析も行うことで、離職率の改善にも繋げていけるのですね。そういった活用イメージはなかったので、驚きました。
はい。
お客様・オペレーター双方の解析がvoistoreの強みでもあります。
システム提供だけではない、voistoreのさらなる魅力
御社ではvoistoreを活用したコンサルティングも提供されていると思うのですが、どのようなサービス内容なのでしょうか?
他社事例なども踏まえて、どのようにvoistorを活用するのが良いのかをアドバイスするのが主なサービス内容です。
場合によっては、より広い範囲でコールセンターの課題に対してコンサルティングすることもあります。
たとえば電話対応だけでなく、チャットでの対応を取り入れられている企業様もあります。
そのような場合には、チャットの設置位置やチャットでの対応内容についてアドバイスをしていますね。
私も以前はコールセンターで働いていましたし、弊社にはコールセンターの現場経験がある社員も多く在籍しているので、現場のことを深く理解したコンサルティングができるのも強みです。
御社のサービスを導入されている企業様はどういったKPIを設定されることが多いのでしょうか?
EC系の企業様の場合には、売上に直接つながる指標を設定されることが多いです。
「どれだけ追加の提案ができているか?」「解約率は下げられているのか?」などですね。
一方で通信キャリアなどのインフラに関わる企業様の場合には、対応しなければならない入電が多いので、いかにスムーズな対応ができるのかを見られているケースが多いです。
たしかに業態などによって、どこを指標とするのかは大きく変わりそうですね。
はい。
あとは同じような業態であっても、入電数によって、対応の仕方はもちろん変わります。
たとえばテレビ通販の場合であれば、テレビが放映されると一気に入電が増えるので、いかに効率的に注文を受け付けていくのかを重視している場合が多いです。
一方、まとめて入電がある場合でなければ、あえて雑談などを交えて、お客様との関係性を深めていくことに注力している企業様もあります。
他に御社ならではのサービスなどはありますか?
弊社ではお客様を集めて勉強会なども定期的に行っています。
大体2ヶ月に1回程度の頻度で、コールセンターに関する講義をさせていただいたり、お客様の活用事例を発表していただくことが多いです。
そこで共通の課題などが出てくれば、弊社のコンサルタントがその場でアドバイスも行います。
他社の活用事例を自社に応用することもできるので、勉強会を上手に使われている企業様も多いですよ。
今後は業種・業界ごとのベストプラクティスを見つけていきたい
今後のvoistoreの展望についてお伺いできますでしょうか?
感情解析機能は昨年の秋頃からサービス提供を開始した、実はまだ新しいサービスなのです。
大変多くの引き合いをいただいたので、多くのコールセンター様で導入・活用が進んでいます。
今回、私がお伝えしたvoistoreの活用方法というのは一般的なケースを想定してのお話しだったのですが、今後は業種・業界ごとの特徴的な活用方法も見つかっていくと思っています。
そういったベストプラクティスを見つけ、より効果的なvoistoreの活用方法を多くの企業様に伝えていきたいですね。
最後になりますが、読者の方に一言メッセージがあればお願いいたします。
当たり前のことではありますが、コールセンター業界においても日々DX化が進んでいます。
弊社でもvoistoreだけでなく、チャットシステムのM-Talkなどデジタル化に対応したサービスを提供しています。
弊社では導入時の設計や、導入後のトータルサポートにも力を入れていますので、コールセンターのDX化に取り組まれている企業様は、ぜひ一度お問い合わせいただけると嬉しいです。